3試合を終えて

試合後、俺はみんなに「何で声を出さないの」と疑問をぶつけた。
2試合と比べて非常に受身で、途中からあきらめているような印象を受けたからである。
疑問に対してみんなから「声は出したいけど何を言えばいいか分からない」と答えがあった。
感情のままに疑問をぶつけた自分が恥ずかしくなった。それは経験の少ないチームにとって
正論であり、今後の課題が見つかったという意味での成果だったはずである。
確かに一方的な展開のうえに、初心者だらけのこのチームでは何もできなくなることもある。
でも何も出来なくても自分がどこにいて、誰にパスを出すかくらいなら言えるはずである。
そう思っていたが、あのような展開ではなかなかそうもいかなかったのが現実である。
俺は勉強や私生活では適当なことが多いけれど、スポーツだけは絶対に負けたくない。
もちろんネタでのプレーやエンジョイスポーツも大好きだし、全てに対してそうではない。
それに、これは部活でもないし誰かが強制している訳でも何かを目指している訳でもない。
ただ楽しみたい人もいれば、俺みたいにやるからには負けたくない人もいる環境だと思う。
ましてや俺は経験者でもなければ指揮する立場でもなく、俺の発言に不愉快になった人は
きっと沢山いたはずである。非常に申し訳ないことを言ってしまったと反省した。
ただ、今日の試合中のぬるぽのみんなの顔つきを見れば自然と伝わった。伝わるものがあった。
まちぽがボールを呼び、としちゃんが懸命に戻り、見澤君が必死に走り、小栗君がコースを消し、
ゆゆヲタが体を張って止め、ちなれんがマジな顔でボールに向かい、兄さんが1人で2人止め、
中島君がムードを変えようとプレスし、南ちゃんが少ないシュートコースから打っていった。
みんなやるからには勝ちたい。勝つために必死になっている。それが実感として分かる。
分かるからこそ、絶望的展開でも最後まで必死に頑張りたかったし、頑張って欲しいと思った。
ゆゆヲタが「ここからが始まりでしょ」と言った。
全くそうだと思った。あいつらに絶対リベンジする。みんなで。